NECを破り歓喜する帝京大の選手=2015年2月8日、東京都港区・秩父宮ラグビー場(山田俊介撮影)【拡大】
体力と集中力が最後まで切れなかった。出足の鋭いタックルでNECの攻撃を早めに食い止め、TLのトライ王ナドロまでボールを渡さない。スクラムでもほぼ互角に渡り合った。試合が進むにつれ、敵陣でのプレーが増え、主導権を握った。試合終盤の貴重なトライを演出した流は「ぎりぎりを想定して練習してきた。自分たちの良さである粘り強さが出た」と自賛。松田も「互角以上に戦えた。勝つことだけをイメージしていた」と誇らしげだった。
「どんな言葉を並べても負けは変わらない。トップリーグのチームと遜色なかった」。NECの主将でプロップの滝沢も大学生たちの強さを認めるしかなかった。日本代表SO田村は「普通にやって普通に負けた」と言い訳はしなかった。
大学勢の頂点に君臨してきた帝京大だが、過去5年はTL勢にダブルスコア以上の完敗。この1年、「打倒TL」に照準を絞り、準備してきた。密度を高めたウエートトレーニングと走り込みで体格面の劣勢を克服。TL勢との合同練習や練習試合を積み重ねて相手の力量を体で覚えた。フッカー坂手は「慣れていたので最初から迷いなくいけた。コンタクトでも負けなかった」と、効果を実感する。