イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に日本人2人が殺害されたとみられる事件は、日本が「独自の情報」を持たない現実を改めて突きつけた。米中央情報局(CIA)のような組織がない日本は、国際テロの脅威に対峙(たいじ)するにしても、他国の情報に頼らざるを得ないのだ。安倍晋三首相(60)は、これを教訓に、「日本版CIA」ともいわれる対外情報機関の創設に踏み切ることができるのか、注目される。
「死活的に重要」
「どの国もテロの脅威から逃れることができない。関係国や組織の内部情報を収集することが死活的に重要だ。しかし、こうした国や組織は閉鎖的で内部情報の収集には相当の困難が伴う」
首相は4日の衆院予算委員会で、イスラム国による事件を受け、国際テロに対処するための情報収集の重要性を、こう説明した。対外情報機関の設置に関しては「さまざまな議論があると承知している」と述べるにとどめたが、創設を視野に入れているとみていいはずだ。