ウクライナ政府軍と親ロシア派武装組織の戦闘収拾を目指してロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4首脳が発表した停戦合意がキエフ時間の15日午前0時(日本時間15日午前7時)に発効、昨年4月から約10カ月で5000人を超す死者を出した紛争は和平への正念場を迎えた。ウクライナ東部では12日の停戦合意後も戦闘による死者が出ており、実際に戦闘が終結するかは予断を許さない。
タス通信によると、ウクライナ東部の親ロシア派武装組織「ルガンスク人民共和国」幹部は14日、前線から重火器の撤去を始めたと述べた。
一方、日米など先進7カ国(G7)首脳は13日、紛争をめぐり共同声明を発表。停戦合意後も東部ドネツク州の交通の要衝デバリツェボ周辺で戦闘が続き、市民に多数の犠牲が出ているとして懸念を表明した。
声明は親露派が攻勢をかけているとの認識を示した上で、当事者すべてが行動を自制し停戦を順守するよう要求。対露制裁強化を念頭に、合意に違反すれば「適切な措置を取る用意がある」と警告した。
ウクライナ政権側と親露派は昨年9月にも停戦に合意したが、その後、戦闘が再燃して年明けから激化した。今回の合意も守られなければ紛争は泥沼化し、欧米と親露派の後ろ盾であるロシアの対立も一層の先鋭化が避けられない。