「仮設住宅でこの曲を歌うこともありました。被災地の方と私たちでは、抱えている悲しみの大きさは違う。その悲しみを私たちが引き受けるのではなくて、自分が震災で感じたことを素直に伝えることが大切なんだと。私たちにとっては、それが唄にすることなんです」
一曲の唄となった「Song of the Earth」は、被災地の仮設住宅やフェスなどで歌われるようになった。
「あるとき、お客さんがライブ映像を撮ってそれをYouTubeに上げてくれたんですね。それを見たミュージシャンの仲間が『自分のバンドでこの唄を歌っていい?』と手を挙げてくれたんです。唄が私たちから離れ、ひとり歩きしていく可能性があると思ったんです。この唄をもっと多くの人と共有したい。ラビラビの唄としてアルバムに入れるのではなく、共感してくれたみんなとリリースできたのなら、多くの人に伝わる可能性が大きくなる。作者不詳の広く口承される唄。そうなることによって、少しでも被災地に還元できたらいいなと思ったんです」