富士重工業の本社で、吉永泰之社長(左)に要求書を提出する労組の山岸稔執行委員長=2015年2月18日、東京都渋谷区(三尾郁恵撮影)【拡大】
政府の圧力に経済界も積極対応を各企業に呼び掛ける。大手で好業績が相次ぎ、経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表幹事は「(昨年の賃上げ率を)クリアする条件は整っている」と強調する。とはいえ、ベアは将来の経営に大きく影響し、特に昨年も実施した企業には慎重な考えも少なくない。
中小零細は不透明
大手との賃金格差が大きい中小企業労組を多数抱える産別のJAMやUAゼンセンなどは、「生活の維持向上」を旗印に連合方針を上回るベア要求を掲げる。日本商工会議所の三村明夫会頭は「(中小企業で)防衛的な賃上げが増えるかもしれない」と分析。人材確保のため、大手の賃上げに同調せざるを得ないとの見方を示した。
だが、消費税増税や円安による物価上昇で個人消費が停滞。中小労組を多数抱える、ある産別役員は「タクシーや住宅などで売り上げが不振だ。全国の労組から『仕事が減った』『去年よりも厳しい』との声が相次いでいる」と明かす。中小零細にまで賃上げが広がるか不透明さは否めない。