春節の休暇中に北京のイベント会場で父親に肩車をしてもらう幼児。北京の子供たちが受け取るお年玉は年々高額化し、今では平均で9万円を超えるとされる=2015年2月20日、中国・首都北京市(AP)【拡大】
温かい人情はどこへ
一方、伝統的な「紅包」も様変わりしている。かつては数十元程度だった額が年々高騰。昨年、北京紙、新京報が北京市内の10歳から13歳の子供90人を対象に調査したところ、平均額は前年比5%増の4867元(約9万2000円)。最高額は2万元(約38万円)だった。また、地方幹部に対する“賄賂”の隠れ蓑として利用されることもあったという。
お年玉の高騰によって、年末のボーナスを使い果たしてしまうケースもあるという。中国のネット上では昨年、「春節が同じ発音の春刧(春の略奪)になった」という自虐的な冗談も広まった。
中国の専門家が2年前、「赤い袋に入れて渡すお年玉は、家族や友人の間の温かい感情を表すものだったはず。企(たくら)みのない祝福という本質に立ち返らなければ、そこにこめられた中国の温かい情を取り戻すことはできない」と憂慮していた状況は、改善されるどころか悪化しているようだ。(中国総局 川越一(かわごえ・はじめ)/SANKEI EXPRESS)