イスラエルのネタニヤフ首相は3日、米議会の上下両院合同会議で演説した。欧米など6カ国とイランが進める核協議について「イランの核兵器開発を阻止することはできない。核兵器を多数保有するのを保証するようなものだ」と指摘。「非常に悪い取引だ」と述べ、交渉の意義を根底から否定した。
イラン核協議は、3月末の枠組み合意期限を前に交渉は正念場を迎えている。イランに核開発の余地を残す合意を阻止したいネタニヤフ氏は、オバマ政権との関係悪化を覚悟で米議会に乗り込んだ。これに対し、オバマ米大統領は3日、ネタニヤフ氏の演説について「新味はない」と反論。「実行可能な代替案も示されなかった」と切り捨てた。
一方、共和党のマコネル上院院内総務は3日、核協議が合意に達した場合、議会の承認を事実上義務付ける法案の審議を週明けにも開始する方針を示した。オバマ政権側は、交渉に影響を与えるいかなる法案にも拒否権を行使するとしており、対立激化は避けられない。
オバマ氏は2日、イランの核開発を最低10年間は制限すべきだと発言したが、ネタニヤフ氏は演説で「10年間はまばたきするほどの時間にすぎない」と指摘した。