イランのウラン濃縮を認めない立場だった欧米は現在、厳格な監視下で少なくとも10年間、濃縮を容認する案をたたき台に3月末までの大筋合意を目指している。イランが「既に獲得した知識を消し去ることはできない」(ライス米大統領補佐官)との判断からだ。
安易に譲歩しないようくぎを刺したネタニヤフ氏が米議会で共和党議員らの喝采を浴びた3日も、ケリー米国務長官はスイスでイランのザリフ外相と約3時間の協議を行った。米政府高官はイスラエルが最近、意図的に交渉内容をリークし始めたと指摘。不信はかつてなく深まっており、オバマ政権がネタニヤフ氏に耳を貸すそぶりはない。
イスラエルはこの間、交渉の進展を阻止しようと米議会で制裁強化へのロビー活動を拡大。だが、演説はむしろ米議会の党派対立をあおり、あだとなる可能性もある。ネタニヤフ氏がホワイトハウスの頭越しに共和党の招待を受け入れたことは、大統領への侮辱だとしてユダヤ系を含む民主党議員の反発を招き、上下両院約230人のうち約60人が欠席した。超党派でイスラエルを支援してきた米議会では異例で、民主党のペロシ下院院内総務は米政権批判の演説に「泣きそうだった」と不快感を示した。