幸せを感じるバランス
しかし、人間本位な情報はどうだろうか。人は常に移ろう。思考も変わる。細胞すらも変容する。特に、世界人口が爆発的に増加した19世紀以降は、富の拡大こそが人々の至上命題となってきた。そうした観点で時代を捉えるのであれば、「利益」を追究して進化した19世紀から20世紀と、「本質」を追究して進化してきたそれ以前の時代ではなかったか。むろん、人が存在する以上、どの歴史においても利益と本質は存在しただろう。
問題はバランスだ。19世紀から20世紀はバランスが著しく崩れ、現代もまだその延長線上にあることに間違いはない。救いなのは、20世紀後半に起こった情報革命以後、利益を追究し本質を見失ったことで情報が湾曲し表層的になってしまったことに多くの人々が気づいていることだ。つまり、これまでの社会に「幸せ」を感じられないのである。そして、新しい幸せな社会をどう作るべきかの議論と創造とが始まっている。