普遍的なモダニズム
こうした現代だからこそ、良質な情報との出合いは常に幸福に満ちている。今回ご紹介するのは、京都の寺町通りに店舗と工房を構え、洗練された京都の美を象徴する錫(すず)器を提供している『清課堂』だ。訪れるたびに感じるのは「静寂」である。素材と職人が道具という共通言語を通し語り合い、お互いが深く納得しながらものづくりへ昇華したことで得られた静けさだろう。ひとつひとつのモノは凛としたたたずまいが伝統的であるが、古さを感じさせないばかりかモダンですらある。私にとってモダンとは「今風」を意味しない。あくまで、どの時代にあっても独自的であり、普遍的な情報をもっていることを意味している。つまり清課堂は、普遍的な情報を伝統技術により高い精度で具現化しているため、刹那的な時代において本質を失うことがないのだ。