日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
大地に降り注ぐ雨のように、仏様は大きな慈悲をもって分け隔てなく平等に教えを説かれますが、同じ教えを聞きながら受け止める側にはおのおの相違があります。それぞれの境涯や性質が違うからです。しかし雨が平等に降り注ぐことで草木が花を咲かせ実をつけるように、仏様の教えを素直に聞けば一人一人に心の成長が必ずあります。雨は植物に恵みを与え、それぞれの特性を活かしてくれます。時がきて梅は梅らしく、桜は桜らしく咲く。人間も大自然の一部ですから、仏様の教えを受けて人間らしく生きることが本来の姿といえます。
善因を積み善果を得る
仏様は「生老病死」というもっとも切実な苦しみから人々を救済したいという深い思いから法を説かれました。「人生には苦しみがつきまとうものだと悟ることが第一。次にその苦しみの原因を探すとさまざまな欲望や執着心が原因であることがわかる。つまり心の持ち方によって苦しみは消滅する」と述べられ、そして「悪い心や行いは悪因を積み悪果を得る。逆に善い心や行いは善因を積み善果を得る。悪因を作らず善因を積み心を浄(きよ)くしていきなさい。五常、五戒を守り、親や国、自分にかかわる全ての人々、そして大自然に感謝して過ごしなさい」など、心の栄誉となる非常に大切なことを教えてくださっています。それを実践していくことが人間らしく生きるための「根」となっていくのです。