【BOOKWARE】
本はそのほとんどが見開きでできている。巻物や経文以外は、すべて見開(みひら)きが一単位なのである。ダブルページと言う。ぼくは両頁(りょうけつ)と呼ぶこともある。英語文化圏では習慣的に“double spread”(ダブルスプレッド)とか、たんにスプレッドと言う。
本の左右に、英語であれ日本語であれヨコ組であれタテ組であれ、見開きのページがあることは、2000年近くにわたって人類のリーディング・アイスキャニングの基本を支えてきた。おそらくこのフォーマットは人類の脳にしっかりインストールされているのではないかと思う。
PCが普及し、電子書籍が誕生し、さらにスマホ時代になって、世界中のユーザーが上から下に続くスクロール画面をもって情報処理するようになった。それはそれで結構だ。けれども本に関しては、今後ともダブルページというフォーマットが変わるとは思えない。この形は永遠なのだ。