生徒2人からスタート
「クーデターでゴルバチョフ(旧ソ連大統領、当時)が軟禁された時、テレビでは延々と『白鳥の湖』が流されました。それほど、ロシア人にバレエは身近な存在なのです」
「モスクワ日本人学校バレエスタジオ」を指導する千野真沙美さん(45)は、そんなエピソードを何げなく語ってくれた。
千野さんは東京都町田市出身。バレリーナだった母親の下、小学校時代からバレエを始めた。1985年に「ボリショイバレエ学校」に留学したのをきっかけに、90年に「モスクワ国立ロシアバレエ団」に入団。ソ連時代、外国人が現地に生活基盤を持ちバレエを続けることは困難を極めたが、続行。ソ連崩壊後もモスクワに残った。
モスクワ日本人学校での指導は、一時日本で学んでいた自身の子供が日本人学校に転入した際、「他のお母さんに頼まれた」ことがきっかけだった。千野さんが2009年に指導を始めた際、生徒は2年生と4年生のわずか2人。その後増えたが、バレエの経験を持つような子供は少なく、「音楽に合わせ飛ぶことや、背中を真っすぐにする」などの基礎の基礎からスタートした。