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愛国心高揚 スポーツ中継の危うさ 渡辺武達 (3/3ページ)

2015.3.18 11:25

サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督(壇上の右から2人目)の来日会見には多数のメディアが詰めかけた=2015年3月13日、東京都港区(中井誠撮影)

サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督(壇上の右から2人目)の来日会見には多数のメディアが詰めかけた=2015年3月13日、東京都港区(中井誠撮影)【拡大】

 筆者は米中、日中の国交正常化のきっかけとなった71年のピンポン外交に日本卓球協会役員として関わったが、「スポーツと政治は無関係」という人々の錯覚を利用して、小さなピンポン球が大きな地球を動かした。ただ、それには国際卓球連盟への加盟は88年のソウル五輪までは国単位ではなく、協会単位であったという歴史背景がある。英国はイングランド、スコットランド、ウェールズの3協会が加盟し、世界選手権での表彰式でも英国国旗は使われなかった。

 考える時間を奪う

 日本のサッカー中継は、国民を酔わせて、愛国心を高揚させる一方で、政治や社会問題について考える時間を奪うという面で力を発揮している。しかし、現在の国際情勢を考えれば、「公正な競争」と「スポーツマンシップ」といいうスポーツが本来持つ機能の実践に踏み込む時代が到来している。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS

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