東日本大震災からの復興に伴う土地需要で、公示地価の上昇率が高い福島県いわき市。手前は上昇率が全国1位になった泉もえぎ台=2015年3月13日(共同通信社ヘリから撮影)【拡大】
「境界線」で左右
同一地域内でも格差は生じている。広島県ではJR広島駅周辺の再開発で商業施設の進出が進み、駅周辺の商業地3地点で10%以上の上昇を記録した。一方、江田島市の住宅地は全国の下落率ワースト10に3地点が入り、市街地と過疎地・島嶼(とうしょ)部との差は歴然だ。
千葉県内のあるベッドタウン。駅から徒歩数分の大規模マンションは好調だが、「徒歩10分以上の場所は事業の見通しすら立たない」(大手デベロッパーの担当者)という。
「郊外では賃貸物件で徒歩10分弱、戸建て住宅で15分という『境界線』があり、これが物件の売れ行きを大きく左右している」
都市未来総合研究所の平山重雄常務執行役員はこのように「多極化」のカラクリを説明する。
人口減少や少子高齢化、不便な交通網…。地方の地価上昇を阻むものこそが、地方から活力を奪う“病巣”だ。公示地価が示した都市と地方と埋まらぬ格差は、安倍晋三政権が掲げる「地方創生」の難しさを浮き彫りにしている。(SANKEI EXPRESS)