3月18日、イスラエル・テルアビブのリクード本部で支持者に手を振るベンヤミン・ネタニヤフ首相=2015年(ロイター)【拡大】
そんな中で飛び出したのが、地元メディアとの会見で、在任中はパレスチナ国家の樹立を認めないというネタニヤフ氏の発言だ。ネタニヤフ氏は「パレスチナ国家を認めれば、イスラム過激派に攻撃拠点を与えることになる」とも主張。イスラエルと、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム原理主義組織ハマスとの間では昨年夏、大規模な軍事衝突が発生しているだけに、一連の発言は有権者に一定の恐怖感と説得力を与えた可能性がある。
一方、パレスチナ側はネタニヤフ氏の強硬路線継続は織り込み済みだ。自治政府高官は17日、イスラエル訴追を目的とした国際刑事裁判所(ICC)加盟をめぐる外交努力を加速させる考えを示した。
これに対してもイスラエルが反発を強めるのは必至で、和平問題は出口のない状況に陥っている。(テルアビブ 大内清/SANKEI EXPRESS)