3月18日、米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に首都ワシントンで記者会見に臨むFRBのジャネット・イエレン議長=2015年(ロイター)【拡大】
米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融政策に関する声明を発表し、政策金利の引き上げ開始まで「忍耐強くいられる」としてきた従来の表現を削除し、利上げに向けた判断を前進させた。雇用の改善が進み、米景気が順調に回復しているため。利上げ開始時期について4月の可能性は低いと明記しており、早くても6月になる見通し。
金融政策運営を決める連邦公開市場委員会(FOMC)の終了後の声明として発表した。声明は事実上のゼロ金利政策を維持した上で、利上げには「労働市場の一段の改善と、物価上昇率が中期的に目標へ近づくという合理的な確信」が必要だとした。
FRBのイエレン議長は記者会見で「6月の利上げを排除しないが、必ずしも意味するわけではない」と早期利上げ観測を牽制(けんせい)。「明確な見通しを示すべきでない」と述べ、利上げ判断はあくまで経済状況次第との姿勢を強調した。
今回の声明を受け早期の利上げ観測が後退し、18日のニューヨーク市場で株価が大幅に反発。日米の金利差縮小を意識して円高ドル安が進んだ。
声明は、景気の現状について「経済成長がやや緩やかになった」と判断を幾分後退させた。同時に公表した経済見通しでは、2015年の国内総生産(GDP)成長率と物価上昇率の値を下方修正した。