「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」で演説する中国の習近平国家主席=2015年3月28日、中国・海南省博鰲(共同)【拡大】
一方、米財務省高官は27日、ルー長官が30日の北京訪問で李克強首相と会談すると明らかにした。滞在中に汪洋副首相(商務担当)や楼継偉財政相とも会談する予定で、AIIBをめぐっても意見交換するとみられる。
高官は、AIIB設立が「新たな資金供給につながることを歓迎する」と発言。世界銀行やADBなど既存の国際機関との協力に期待を示した。
台湾の蕭万長前副総統は28日、習氏と会談しAIIBに台湾も参加したいと表明した。馬英九政権の意向を伝えた。ただ、台湾メディアによると、突っ込んだやりとりはなく、習氏はうなずくなどしたが、即答を避けた。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪中国、既存秩序に対抗 漂う自信と余裕≫
中国主導のAIIBへの参加国が増え続けている。米国や日本の懸念をよそに、対アジア貿易・投資の活発化を目指す欧州諸国。昨年の新興5カ国(BRICS)による「開発銀行」設立合意に続き、既存の国際金融秩序に挑戦する中国の経済外交が勝利を収めつつある。中国と歴史問題を抱え、米国との同盟関係を重視する日本の「孤立」懸念もある。