「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」で演説する中国の習近平国家主席=2015年3月28日、中国・海南省博鰲(共同)【拡大】
はしご外される懸念
AIIBへの欧州の参加という想定外の事態にたじろいだのは日本だ。麻生太郎財務相は27日の閣議後の記者会見で、融資の審査体制や組織運営が「全く明確でない」と語った。しかし外交筋は「日本は米国が首を縦に振らなければ動けない。ただ米国が急に参加表明してはしごを外される可能性だってある」と分析する。
「欧州各国は中国と大きな政治的争いを抱えていない。経済面を重視して参加しやすかった」(北京の金融筋)との見方もある。
一方で日本は、戦後70年を迎え、中国や韓国と歴史問題を抱える。ある日本政府関係者はAIIBの決済システムで中国の通貨、人民元が使われれば「世界の通貨体制そのものが大きく変化することになる」と指摘した。(共同/SANKEI EXPRESS)