3月25日、イーゴリ・コロモイスキー氏(右)と膝詰め談判をするウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領。この後、大統領はコロモイスキー氏の知事職を解いた=2015年、ウクライナ・首都キエフ(ロイター)【拡大】
最大の敵は国内にあり
英字紙キエフ・ポストは、今回の解任劇は「エリートたちの勢力争いが激化し、政権内が不安定化していることを示す一例」と報道。その上でロシアと事実上の境になっているドニプロペトロフスク州で今後、親露派勢力が浸透する恐れがあると指摘する。
ポロシェンコ氏にしてみれば、国家経済が破綻状態にある中で、私財をなげうってまでも祖国を守ろうとしたコロモイスキー氏を政界から退場させることは「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」ことだったのかもしれない。
3月26日付の米紙ワシントン・ポストのインタビューに応じたコロモイスキー氏は「ポロシェンコは長い間、私のことを我慢してくれた」と話し、混乱を収めるために自ら辞職を申し入れたことを明かした。その上で、今後も大統領の「新しい国造り」に貢献することを宣言し、自らを襲った境遇をふまえ、「彼の最大の敵は国外にあるのではなく、インナーサークルにある」と警告した。