3月25日、イーゴリ・コロモイスキー氏(右)と膝詰め談判をするウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領。この後、大統領はコロモイスキー氏の知事職を解いた=2015年、ウクライナ・首都キエフ(ロイター)【拡大】
オリガルヒとの戦い
しかし、2人の間には裏取引があったとの説を多くの専門家が指摘している。
地元紙ゼルカラ・ニジェーリのモストバヤ編集長は、辞任を受け入れたコロモイスキー氏には後になんらかの見返りがあるはずで、「もし何もなかったら平和裏の交渉は破綻する。コロモイスキー氏も反撃ののろしを上げる」と話す。
一方、ロシア国内ではプーチン政権に武力で楯突くコロモイスキー氏を官製メディアが悪役に仕立て上げ、さまざまな圧力をかけてきた。解任にも歓迎する声が相次ぐ。露下院のCIS(独立国家共同体)問題委員会のレオニード・スルツキー委員長(47)はタス通信の取材に答え、「欧州統合のスローガンのもとでウクライナは無政府状態とオリガルヒ支配の時代に逆戻りした」と非難した。
スルツキー氏は今後のコロモイスキー氏の動向に着目し、「ポロシェンコ政権はコロモイスキーの部隊を抑えるために、今後、欧米に軍事支援を依頼しなくてはならないだろう」と話している。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)