安倍晋三(しんぞう)首相(左)と面会する拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(右端)ら=2015年4月3日、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】
家族会の飯塚繁雄代表は首相との面会で、「焦って報告書を受け取る必要もない。被害者の確実な帰国の実現以外、望んでいない」と要請した。
面会後に会見した横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母、早紀江さん(79)は「拉致被害者の再調査報告だけに期待するのではなく、北朝鮮が被害者を帰国させる気があるのかが最大の問題。(政府は)はっきりと向こうに伝えてほしいと申し上げた」と語った。父、滋さん(82)は「気長に待つしかないのか」と落胆した様子だった。
増元るみ子さん=失踪当時(24)=の弟、照明さん(59)は、この1年を振り返り「(拉致問題に熱心な)安倍政権での状況に、非常に失望している。今後も期待できるか分からないが、被害者救出に向けて動いてほしいとの願いは変わらない」と述べた。
松本京子さん=失踪当時(29)=の兄、孟さん(68)は「結果的に何も出てこなかったのだから、交渉の仕方を変えたらどうか」と政府側に提案したことを明かした。松木薫さん=失踪当時(26)=の姉、斉藤文代さん(69)も、家族の高齢化が進んでいることを受け「再調査より(被害者が)帰国できるほかの道をしっかり考えて」と注文したという。