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トリノの「聖骸布」めぐる旅 近代人の理解超えた古きもの (4/4ページ)

2015.4.6 16:45

聖骸布は、聖ヨハネ大聖堂を入って左奥に安置されている。防弾、防水、防火処理の施された分厚いガラスで仕切られており、その前には人だかりができていた=2014年5月8日、イタリア・ピエモンテ州トリノ(小野淳一撮影)

聖骸布は、聖ヨハネ大聖堂を入って左奥に安置されている。防弾、防水、防火処理の施された分厚いガラスで仕切られており、その前には人だかりができていた=2014年5月8日、イタリア・ピエモンテ州トリノ(小野淳一撮影)【拡大】

  • イタリア・ピエモンテ州トリノにある聖ヨハネ大聖堂。正面が主祭壇で、左手奥に「キリストの聖骸布」が収められている=2014年5月8日(小野淳一撮影)
  • イタリア王家の居所を美術館にした「カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館」。イタリアを代表する現代美術館のひとつとなっている。天井と床に円形の鏡が置かれた展示など個性的なものが多い=2014年5月8日、イタリア・ピエモンテ州トリノ(小野淳一撮影)
  • 聖ヨハネ大聖堂に安置されている聖骸布(せいがいふ)。これは本物ではなく、忠実に再現したレプリカだ=2014年5月8日、イタリア・ピエモンテ州トリノ(小野淳一撮影)
  • 聖ヨハネ大聖堂はトリノ市民から「ドゥオモ」と呼ばれ親しまれている=2014年5月8日、イタリア・ピエモンテ州トリノ(小野淳一撮影)
  • トリノは2006年冬季五輪が開催された町。豪華で歴史ある建物の背景にアルプス連邦を望むことができる=2014年5月8日、イタリア・ピエモンテ州トリノ(小野淳一撮影)
  • イタリア・ピエモンテ州トリノ

 堂内の左、奥まったところにある棺のなかに聖骸布は収められていた。シャッターを切った。「カシャ」という音が堂内に響いた。そのとき、胸にIDカードをぶらさげた男性がやってきて、ギロリとこっちをにらんだ。彼の目は怒っていた。まるで信仰などない僕という人間の心を見透かし、非難するように…。少し離れてもう一度写そうと思ったが、彼は僕を目で追っていた。最後は根負けしてしまい、その一角を離れた。

 実は、聖骸布の真贋など、もはや科学の力をもってしても断定できるはずはあるまいと思っている。つまり、永遠の謎…。

 きっと、よりどころがあるとすれば、見る者の心だけなのに違いない。いかがわしいと思えば偽物になり、ありがたいと思えば本物になる。ただ人型が写った古いリネンの布なのである。けれど、信仰する人がいる限りそれはいつまでも「聖骸布」として生き続けるのだろう。

 【ガイド】

 トリノの聖骸布(せいがいふ、サンタ・シンドネ)が4月19日(日)~6月24日(水)、公開される。詳しくは「イタリア政府観光局」「聖骸布」で検索を。

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