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東京駅はぼくが好きな洋書のようです 辰野金吾の矜持と根性と洒落が建っている 松岡正剛 (2/5ページ)

2015.4.6 17:45

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

 コンドルは河鍋暁斎に日本画を習い、華道についての初めての英語本を著し、日本舞踊の前波くめを娶ったほどの日本贔屓だったのだが、一方では4人の弟子を厳しく、また奔放自在に育て上げた。ぼくはそういうコンドルがめっぽう大好きで、片山や辰野や左立らの建築意匠にもだんだん深入りするようになった。かれらはそれぞれ強烈な「意匠という個性」を発揮した。とくに東熊と辰野は対照的だった。

 東熊は赤坂離宮(迎賓館)に代表される東西和合のネオバロックである。対する辰野は、堂々たる石段積みの日本銀行本店に代表される交響曲的構造感覚と、東京駅に象徴される赤レンガ白線仕立ての壮麗なドレスのような感覚とを披露した。これはコンドルと、その師のバージェスから受けたものを、辰野が二つながら受容したせいだった。

 そういう辰野式建築を「相撲の仕切りのようだ」と評した者がいた。またそれを揶揄して「辰野の建物は仕切ってばかりいて立ち上がってこない」と言う者もいた。ぼくは、その容易に立ち上がらない仕切りを見せ続けているところこそ、世界に向けて“日本的洋書”を読ませたいという辰野の根性をあらわしていると思っているのである。

ラフカディオ・ハーンとともに語られるべき

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