【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】
【KEY BOOK】「鹿鳴館を創った男」(畠山けんじ著/河出書房新社、2160円、在庫なし)
コンドルはウィリアム・バージェスの事務所で建築技法を習得し、日本美術が好きだった師の影響もあって来日すると、工部大学校で日本人建築家を一から育てることになった。授業はすべて英語で、『造家必携』を著した。その教えは片山東熊に赤坂離宮・奈良国立博物館・京都国立博物館を、辰野金吾に日本銀行本店・日本銀行大阪支店・奈良ホテル・日本生命九州支店・東京駅などを残させた。生涯、薔薇と日本人を愛した男だった。
【KEY BOOK】「辰野金吾」(川上眞理・清水重敦著/ミネルヴァ書房、2700円)
辰野は工部大学校でコンドルから造家学を習ったあと、明治13年にイギリスに留学し、コンドルの師のウィリアム・バージェスの事務所に入るとともに、ロンドン大学でも学んだ。本書は辰野がバージェスの影響をそうとう受けたという分析をしている。その建築意匠は「辰野式」と言われ、とくに赤レンガに白い石を帯状にめぐらせるデザインは一世を風靡した。ぼくはそれを「煉瓦のドレスをまとわせた洋書様式」と感じてきた。