米バージニア州リンチバーグのリバティー大学で、家族を伴って大統領選への出馬をいち早く表明した共和党のテッド・クルーズ上院議員(右から2人目)。信仰を前面に出して選挙戦に臨む姿勢を明確にした=2015年3月23日(ロイター)【拡大】
クルーズ氏ら茶会系の非妥協的な姿勢は、共和党に対する世論の反発も招いた。クルーズ氏の名前を挙げると、熱心な共和党支持者でさえ、眉をひそめて薄ら笑いを浮かべるほどだ。上下両院で過半数を握り、次期大統領選をにらんで「政権担当能力」を見せなければならない議会指導者にとっては、やっかいな存在だった。
しかし、いち早く出馬表明したこともあり、泡沫(ほうまつ)候補のような扱いはされなくなった。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた世論調査結果では、4月上旬の時点でジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事(47)がともに16%の支持で先行している構図は変わらないが、クルーズ氏は4%台から8%台に伸ばした。
共和党穏健派にとっての「鼻つまみ者」が、上位グループに駆け上った。
保守の行く末を左右
その一方で元脳神経外科医のベン・カーソン氏(63)、マイク・ハッカビー元アーカンソー州知事(59)の2人は支持を奪われ、支持率でクルーズ氏と肩を並べた。ここにクルーズ氏の狙いがあった。