やがて、この方程式は驚くべきことを暗示していることが判明した。たった一個の陽子が中性子に変わってもエネルギーの拡張がおこるのだとすれば、その転換を連続的におこしさえすれば、人工的な核分裂や核融合によって莫大なエネルギーを放出させることが可能である、そういう原子力利用や原子力爆弾ができるということが見えてきたのだった。E=mc2は原爆と原発をつくりだしたのである。
そんなことは露知らず、特殊相対性理論のあと、アインシュタインは時空構造の特徴を思索して、一般相対性理論の構築に向かった。これは物質と重力と時空の意外な関係を解き明かしたもので、重力によって時空間に曲がりや歪みが生じるというものだった。特殊と一般。どちらもとんでもない発見だった。大学3年のとき、禅と相対性理論を一緒くたに感じようとしていた“青い春”が懐かしい。