4月5日のオリックス戦の五回、打ち上げた打球を目で追う日本ハムの中田翔(しょう)選手。この後、バットをたたき付け、悔しがりながら一塁に向かったが、打球はスタンドに飛び込んだ=2015年、大阪市西区・京セラドーム大阪(山下香撮影)【拡大】
そんな中田選手が、今年は三冠王を目指すというのです。それだけの力が備わった証拠だと、私は強く感じました。
胸に秘めた大きな夢
実は、彼にはまだ語ることのないとてつもない夢があります。米大リーグで4番を打つことです。近年の日本球界で成長が難しいとされてきた右の大砲として、日本野球のプライドを持ってメジャーでも通用することを証明するためにです。
頭の中に描かれているプランはとても明確です。20代のとにかく早い時期に海を渡って勝負したいと思っているそうです。そのために、この2年は150キロを超える速球と手元で動くカットボールやツーシームへの対応を強く意識してバットを振り込んできました。
私はこれこそが「メジャー対策」に他ならないと確信しています。日本代表としてプレーした2013年の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、そして14年の日米野球で、夢は確実に膨らみ始めました。海外のトップクラスの投手のボールが徐々に見え始めたと言います。