コメに関しては、日本が高関税を維持する代わりに、米国から現在の無関税枠とは別に主食用米の輸入を年間5万トン程度増やす特別枠の新設を提案。これに対して米国は主食用米の輸入を17万5000トン程度増やすよう求め、調整は難航した。自動車部品でも、日本が要求する関税の即時撤廃をめぐり、対象品目やそれ以外の関税撤廃の猶予期間で米国と対立が続いた。
≪交渉加速狙い緊迫の攻防≫
昨年10月以来、約半年ぶりとなったTPP交渉の日米閣僚協議は難航していた両国の協議進展を“演出”し、交渉全体の加速につなげることを狙った。ただ、焦点となったコメや自動車分野の関税の扱いは日米双方にとって国内が最も過敏に反応する最重要課題だけに、「間合いを詰める大きなチャンス」(甘利明TPP担当相)とされた今回の協議も緊迫した攻防を繰り広げた。
甘利氏と米通商代表部(USTR)のフロマン代表による2日目の閣僚協議は20日朝に始まり、途中、農業や自動車分野の交渉官らも交えながら、20日夜まで断続的に続いた。甘利氏は当初出席する予定だった4月の月例経済報告関係閣僚会議を、フロマン氏との協議に集中するために急遽(きゅうきょ)欠席。ここにきても簡単には歩み寄れない日米協議の厳しさを浮き彫りにした。