元受刑者の社会復帰と再犯防止には、働ける職場が不可欠だ=2015年4月8日(日本財団撮影)【拡大】
成功を積み重ねることが大事
日本財団は、官民合同勉強会の発足に先立ち10年から再犯問題に取り組んでいる。例えば、13年には、企業が元受刑者に就労体験の機会を提供し、さらに彼らの「親」として業務外の生活も指導する「職親(しょくしん)」プロジェクトをスタートさせた。この経験が新たな更生支援モデルの構想に役立っており、職親プロジェクトを通じて広がった再犯防止に積極的な企業のネットワークは、新たな更生支援のモデルにもそのまま生かされている。
もちろん、これまでの経験が成功ばかりだったわけではない。元受刑者らの親となるべく名乗りを上げた職親企業たちも、彼らの職場定着率の低さに落胆を隠さなかった。自らが矯正施設に面接に出向き、採用を決めた相手が、仮出所後一度も出社せずに行方をくらませてしまったこともある。その会社の社長は「仮出所を得るためのまじめさのアピールに、自分たちが利用されているのではないか」といぶかった。職親プロジェクトへの応募はこれまで152人で、企業が提供する半年間の職場体験を逃げ出さず修了できたのは15人、企業での継続的雇用につながったのはわずか3人だ。