FITの骨格が固まったのは11年夏。退陣を迫られた当時の菅直人(かん・なおと)・民主党政権が、退陣条件に関連法案の成立を挙げた経緯がある。法律施行後3年間は「(再生エネの)供給者が受けるべき利潤にとくに配慮する」との付則が加わり、買い取り価格の大幅引き上げにつながった。
前出の山地氏は「(FITの設計は)国会で調整した。最大の責任はそこにある」と、FITが作られた過程を非難する。ずさんな制度設計が、「再生エネの全量買い取り」という大原則を大きく揺るがす結果を招いた。
「相互補完的なもの」
FITによる再生エネの買い取り費用は、電気料金に上乗せされている。経産省は3月、FITによる15年度の電気料金の上乗せ額が、標準家庭で月474円になると公表した。5月の料金から適用され、14年度から2倍超に膨らむ。年間では5688円の負担だ。
電気料金が上昇すれば、電気代の安い海外に企業が逃げ出す恐れもある。経済界からは「企業経営に深刻な問題だ」(日本商工会議所の清水宏和・中小企業政策専門委員)と不安の声もあがる。電源構成が再生エネに偏れば、国民負担が増すのは火を見るより明らかだ。