震え上がる親露近隣諸国
「ロシア世界」の再構築を目指すプーチン政権の姿勢は、親露的な近隣諸国すらも震え上がらせた。この概念自体が旧ソ連の広範な地域に当てはまるためだ。ロシア系住民を多く抱える近隣国では、ウクライナと同様に、ロシアが「同胞の保護」を口実に介入してくるのではないかとの懸念が特に強い。
「欧州の堡塁」は、「ロシア世界」の拡張を食い止めようというポロシェンコ政権の意思の表れだ。ただ、「ロシア世界」の境界線は現在の国境と一致するだろうか。
ハリコフで出会った運転手、アレクサンドルさん(33)は「欧州の堡塁」を「何の意味もない」と切り捨て、「ハリコフでは親欧派と親露派が五分五分だったが、紛争を経た今は親欧派だった人々も首都キエフに幻滅し始めている」と話した。(モスクワ支局 遠藤良介(えんどう・りょうすけ)/SANKEI EXPRESS)