アテネ五輪陸上男子110メートル障害で優勝し、喜ぶ劉翔(りゅう・しょう)。あれから11年、引退を発表した劉翔の大学院進学が新たな論争を引き起こしている=2004年8月27日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター)【拡大】
制度を利用しているのは劉翔に限らない。12年ロンドン五輪競泳男子自由形で2冠を達成した孫楊(そん・よう、23)も今年4月、無試験で蘇州大学(江蘇省蘇州市)の研究生(大学院生)となった。北京体育大学などでは多くのメダリストが卒業生に名を連ねている。ただ、五輪翌年のある年、北京体育大学には数十人のメダリストが入学したが、講義初日に授業に出たのは、わずか3人だったという。
かつて北京体育大学で教壇に立った学者は中国メディアに、こう暴露している。「ある金メダリストを教えたことがあるが、言葉の表現能力でさえ必要な水準に達していなかった。そんな彼に大学で何を学ばせるというのか? 彼に必要だったのは基礎教育であり、高等教育ではなかった」-。
高い学歴求め入学
一方、選手側は能力不足を認識しながら、より高い学歴を求めて入学しているようだ。中国メディアによると、ある男子選手は「研究生の敷居はわれわれには高すぎる。一般教養課程の授業でさえ理解できないのだから、専門課程はいうまでもない」と告白した上で、「本科でも研究生でも自由に選べるんだから、誰が本科を選択するというんだ?」と本音を漏らした。こうした選手を受け入れている大学では最近、教育秩序を守るために、メダリストに退学を勧告するケースも出ているという。