成長への願いを込めて掲げられたこいのぼりの下で遊ぶ子供。一方、保育所では死亡事故が相次いでいる=2015年5月2日、神奈川県横浜市(AP)。※一部画像を処理しています。【拡大】
全国の保育所で2004~14年に起きた事故で、少なくとも163人の子供が死亡したことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。年齢別では0歳児が半数を占め、認可外保育施設での事故が約7割に上った。子供が睡眠中のケースが多かった。
認可外の施設数は認可保育所の約3分の1だが、事故件数の突出ぶりが目立つ。これまでは事故報告は義務付けられておらず、自主的な報告を国が集計。死因や発生状況の分析は進んでいない。
国は保育の受け皿拡充に向け4月から始めた「子ども・子育て支援新制度」で、新たに保育中の死亡、重傷事故を自治体に報告するよう義務付けた。ただ認可外には法的拘束力はなく、事故の検証方法も決まっていないなど、子供の安全確保に向けた課題が残る。
厚労省のまとめでは、記録が残る04~14年の11年間に、自治体を通じて報告があった保育中の死亡事故は計160件。このうち06年には埼玉県川口市で子供の列に車が突っ込み、4人が死亡した。