世界遺産に登録勧告された「明治日本の産業革命遺産」の構成施設、三池炭鉱の万田坑を見学に訪れた人たち=2015年5月5日、熊本県荒尾市(共同)【拡大】
Q どんな点が評価されたのでしょう
A 産業革命遺産は、幕末から明治期の製鉄所や造船所など、重工業発展の歴史を示す23施設からなります。諮問機関は「西洋の技術を積極的に改良して日本の伝統に適合させ、50年余りの短期間で産業化を達成した」と世界史的な価値を認めました。世界遺産の登録基準に「(人類の)価値観の交流を示す」「歴史上の重要な段階を物語る」という項目がありますが、これを満たすと評価されたのです。
Q 韓国は登録に反対していますが
A 戦時中、一部の施設で朝鮮半島出身者を強制労働させた歴史があるため、世界遺産にふさわしくないと訴えています。日本政府は遺産の価値を丁寧に説明し、理解を求める考えです。
Q 世界遺産になると何が変わりますか
A 世界的に有名になるので、観光客の増加が期待できます。一方、施設や景観をしっかりと守ることが求められ、6年に1度、世界遺産委に保全状況を報告しなければなりません。取り組みが不十分だと判断されれば、登録が取り消されることもあります。