世界遺産に登録勧告された「明治日本の産業革命遺産」の構成施設、三池炭鉱の万田坑を見学に訪れた人たち=2015年5月5日、熊本県荒尾市(共同)【拡大】
Q 日本でほかに登録を目指す候補はありますか
A 世界文化遺産に推薦できるのは各国年1件で、来年はキリスト教の伝来と弾圧、復活の歴史を物語る「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本)が審査を受けます。2017年の候補は今年7月中に選ばれる予定です。
≪受け入れやすい一括推薦 戦略奏功≫
「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産登録に向けたお墨付きを得たのは、近年の審査傾向に合わせ、同じ分野の歴史遺産を一括推薦するなど、ユネスコ側が受け入れやすい条件を整えた政府の戦略が奏功したためといえる。
文化、自然、複合の3種を合わせた世界遺産の総数は、関係者の間で「管理の上限」と指摘されていた1000件を既に超えた。政府が「シリアルノミネーション」(同種遺産の一括推薦)と呼ばれる手法を本格的に採用し、23施設をひとまとめにしたのは、新規登録を抑えたいユネスコの意向にかなう。