イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」には、どのような人間が参加しているのか。産経新聞社は4月、イラク北部クルド自治政府の許可を得て、自治区内で拘束されているイスラム国の構成員たちと面会した。イスラム国が仕掛ける工作活動の実態などを明かした彼らの証言を紹介する。
工場の仕事を世話
イラク北部タルアファル出身のトルクメン系イラク人、シャウカト(23)が義理の兄弟に誘われてイスラム国に参加したのは昨年7月のことだった。
10日間の訓練期間を経て、クルド人自治区の中心都市アルビル攻略に向けた作戦やイラク有数の製油所があるバイジでの戦闘に参加。その間に「拘束したイラク治安部隊の捕虜10人を機関銃で処刑した」。
しかし、最後に与えられた役目は、それまでのものとは毛色が違っていた。
まず、クルド自治政府が実効支配する北部キルクークへの転居を命じられた。さらに、キルクーク近郊の工場での仕事を世話された。何らかの指令があるまで市民を偽装する「スリーパー・セル(潜伏工作員)」としての任務だった。