A・S・Jはその後も、指令役の男らから、クルド自治政府の治安部隊ペシュメルガの基地への道案内や、治安機関幹部を監視する男3人を現場へ運ぶ役目などを与えられたという。
同じ刑務所で取材したもう一人のクルド人メンバー、N・A・M(36)も同様に、「自分は何もしていない」と繰り返した。しかし彼の場合も、イスラム国の知人から携帯電話を買い与えられるなどしたほか、その知人らに連れられて訪れた自治区の古都スレイマニヤの工場で昨年末ごろ、「爆発物を積んだ車を見せられた」と工作活動の一端を認める証言している。
インタビューに立ち会った取調官は取材後、「テロ準備を知りながら、自分は悪くないと主張する人間を信じられるわけがない」と、監房に戻る容疑者らをにらみつけた。治安機関とイスラム国は終わりなき戦いを続けている。(イラク北部クルド人自治区 大内清/SANKEI EXPRESS)