会談後の共同記者会見でも応酬を繰り広げた米国のジョン・ケリー国務長官(左)と中国の王毅外相=2015年5月16日、中国・首都北京市(ロイター)【拡大】
アジアから「排除」
2012年の発足直後から「海洋強国の建設」を国策と位置付ける中国の習近平指導部は、海洋権益に関して一切妥協しない姿勢を貫いてきた。
14年5~7月にはベトナムと領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で石油掘削作業を実施。同じ年の8月、スプラトリー諸島での埋め立て凍結を呼び掛けたフィリピンを完全に無視した。同じ月内に中国軍の戦闘機が米軍の対潜哨戒機P8に「約6メートル」まで異常接近。「九段線」と呼ばれる独自境界線を設定しており「外国の軍艦や軍用機が領海や領空に好き勝手に入ることを許さない」(中国外務省)と反発する。
習指導部の狙いはアジアからの米国排除だ。習氏は14年5月、「アジア人民はアジアに平和と安定をもたらす能力と知恵がある」と発言。アジア重視戦略を掲げるオバマ政権に対抗して、中国主導の新たなアジアの安全保障秩序構築を目指す。
現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」やAIIB創設とも関連し、重要拠点の南シナ海の支配確立を進める。