【アートクルーズ】
16世紀前半にイタリア・フィレンツェで繰り広げられるはずだったダ・ヴィンチとミケランジェロの壁画による競演が、「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』」展(11月26日~、東京富士美術館)に展示される2枚の模写によって、日本で初めて“実現”する。競演の物語には、いくつもの謎が秘められ、その推理は、ルネサンスの黄金期を知るアプローチとして、格好の教材にもなりそうだ。
ミケランジェロと
「アンギアーリの戦い」は1440年、フィレンツェがミラノに勝利した戦い。しかるべき文献によれば、当時のシニョリーア宮殿(現ヴェッキオ宮殿)を飾るのにふさわしい題材として、1503年、壁画がダ・ヴィンチ(1452~1519年)に発注された。さらにその後、フィレンツェとピサの「カッシナの戦い」(14世紀半ば)の壁画も、ミケランジェロ・ブオナロッティ(1475~1564年)に依頼された。
すでに著名だった2人の競演は、フィレンツェでは話題になったという。しかし、残念なことに、実現しなかった。