【アートクルーズ】
「連環画(れんかんが)」という中国の絵入り読み物をご存じだろうか。西遊記や三国志といった日本でもおなじみの古典物語から、日本軍との戦いを描いた戦争娯楽活劇、はたまた革命の理想に忠実な中国共産党の英雄たちが活躍する政治宣伝色の強い物語まで-縦10センチ×横13センチほどの手のひらサイズの本のなかで、中国社会のありとあらゆる物語がビジュアル化され、庶民のための読み物として展開されてきた。
庶民に親しまれてきたメディアであるという点や、文章と絵の両輪によって展開される読み物であるという点など、どことなくマンガとも近い位置にあるようにも思える連環画。ほとんどの日本人が知らないその世界を紹介しつつマンガとの接点を探る展覧会が、京都国際マンガミュージアムで開催されている「知られざる中国〈連環画〉~これも『マンガ』?~」展だ。