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社会矛盾や苦しみ 意識共有への試み 「他人の時間|TIME OF OTHERS」 (1/3ページ)

2015.5.18 11:30

キリ・ダレナ「消されたスローガン」(2008年)=2015年4月10日(原圭介撮影)

キリ・ダレナ「消されたスローガン」(2008年)=2015年4月10日(原圭介撮影)【拡大】

  • アン・ミー・レー「被害対策訓練、米国艦船ナッシュビル、セネガル(『陸上の出来事』シリーズより)」(2009年、提供写真)
  • ブルース・クエックと「鏡の回廊_東南アジア・リポート」(2012年)=2015年4月10日(原圭介撮影)

 【アートクルーズ】

 「他人の時間|TIME OF OTHERS」という一風、変わったタイトルの展覧会が、東京都現代美術館(江東区三好)で開かれている。出品しているのは、アジア・オセアニア地域の若手作家18人。身近な社会の矛盾や人々の苦しみ、悲惨な状況に目を向けた作品が並ぶ。あなたは鑑賞を通して、同時代に生きる「他人」と、時間(意識)を共有することができるだろうか?

 消されて際立つ

 マニラ生まれでマニラ在住のキリ・ダレナ(1975年~)は、ドキュメンタリー映画を学んだ。フィリピンの社会的・政治的な問題に直面する人々に焦点を当ててきた。

 「消されたスローガン」(2008年)は1960年代のマルコス独裁政治を中心にした新聞社の資料写真を基にしている。民衆の抗議集会、デモ、ストのシーン。労働環境の向上やベトナム戦争への反対、米軍基地への抗議、農地問題などだ。しかし、彼らの要求の多くは今もかなっていない。

残酷さ鳴らす時計

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