百貨店プランタン銀座内に4月にオープンしたニトリの新店舗=2015年、東京都中央区(共同)【拡大】
設備投資上向く
設備投資は0.4%増と4四半期ぶりに増加し、増税後で初めてプラスに転じた。ただ、企業収益の拡大に比べて伸び率は小幅にとどまっており、企業の慎重姿勢が根強いことがうかがえる。
民間の住宅投資も増税の影響が薄れたことで1.8%増と4四半期ぶりのプラスに転じた。公共投資は1.4%減。
輸出は2.4%増、輸入も2.9%増だった。統計上、輸出に含まれる訪日外国人客による百貨店などでの購入増加も寄与した。
景気実感に近いとされる名目GDPは、前期比1.9%増だった。年率換算で7.7%増となり、11年7~9月期以来の高い伸び率となった。14年度の名目GDPは前年度比1.4%増。
≪消費二極化 頼みは賃上げ、夏のボーナス≫
1~3月期のGDPは緩やかな景気回復基調を維持した。しかし、物価高などで家計の警戒感は依然として根強い。訪日外国人客の「爆買い」や、富裕層の高額品購入は旺盛な一方、中低所得層は慎重姿勢が残り、消費現場は二極化しつつある。アベノミクスの成長戦略も目玉政策に乏しく、政権内には手詰まり感が漂う。