バス襲撃テロの犠牲となった45人の死を悼み、祈りをささげるパキスタンの国会議員ら。「イスラム国」の犯行声明がネット上で流れたが、治安当局は信頼性に疑問を投げかけている=2015年5月14日、パキスタン・カラチ(AP)【拡大】
パキスタンの政治・安全保障問題評論家、ハッサン・アスカリ・リズビ氏は産経新聞の電話取材に「この地域ではイスラム国に、国際テロ組織アルカーイダのような指導力はない。地元のスンニ派過激組織が注意を引くためにイスラム国の名を使ったのだろう」と指摘した。ただし、「イスラム国が主張するような過激思想は存在する。地元スンニ派過激組織は、イスラム国と同盟関係を結ぶ潜在性を持っている」と述べた。
インドの陰謀説も
チョードリー外務次官は、むしろ、「インドの情報機関『研究分析局』(RAW)がパキスタンで多様なテロ活動に関与している」と述べ、カシミール地方の領有権などをめぐり軍事的に対立するインドの陰謀説を示唆している。
パキスタン政府はかねて、インドが南西部バルチスタン州のテロ組織を支援していると主張してきた。インドはこうした非難を、重ねて否定しているものの、パキスタン軍は最近も、司令官を集めた会議での声明で「パキスタンでのテロの扇動にRAWが関与していることに深刻な留意を表明した」と発表した。