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【溝への落とし物】信じられない人々 本谷有希子 (1/4ページ)

2015.5.24 15:00

しばらく見ないうちに、金沢駅がこんなことになっていて驚き=2015年4月26日、石川県金沢市(本谷有希子さん撮影)

しばらく見ないうちに、金沢駅がこんなことになっていて驚き=2015年4月26日、石川県金沢市(本谷有希子さん撮影)【拡大】

  • 劇作家、小説家、演出家、本谷有希子さん(本人提供)

 人前で、平気でせきをできる人間が信じられない。

 無論、たんが絡んだり、何かがのどに飛び込んでむせ返ってしまった場合は別として、私が言いたいのは、街でたまに見かける「せきが出ると前もって分かっているのに、なんの策も取らない人たち」のことだ。

 公共の場で遭遇する宇宙人

 よく見てみると、そういう人たちは驚くほど多い。公共の場で、それらしき人を見かけるたびに、私はいつも宇宙人に遭遇したような気持ちになってしまう。一体どんな理由があって、あの人たちはマスクを装着しないという道を選択したのだろう。たまたま忘れてしまっただけなのだろうか。確かに、彼らの中には必死に手で口を覆い隠して、迷惑がかからないように工夫をこらしている者もいる。そういう相手なら、事情を察することができる。

 が、中には、どうひいき目に見ても、これっぽっちの申し訳なさも滲ませていない強者がいるのである。彼らはまるで、気にするこちらが悪いのだとばかりに、顔色一つ変えずウイルスをまき散らす。公共の場だから文句を言うなとばかりに堂々としている。いや、そう見えるだけで、やはり彼らも内心びくびくしているのだろうか? 弱みを見せたら最後だと、必死で虚勢を張っているだけなんだろうか…。でも、あいつらのあの顔は人に迷惑をかけることをなんとも思っていないようにしか見えない。

心の醜さに向き合わされる

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