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50代半ばだからこそ描けた「魂の彷徨」 「界」著者 藤沢周さん (3/5ページ)

2015.5.25 18:30

魂の彷徨を描いた藤沢周さん。タイトルの意図を「結界、境界…いろんな『界』を男がさまようという意味を込めた。字面も、なんだか呪術的でしょ」と明かす=2015年5月20日(塩塚夢撮影)

魂の彷徨を描いた藤沢周さん。タイトルの意図を「結界、境界…いろんな『界』を男がさまようという意味を込めた。字面も、なんだか呪術的でしょ」と明かす=2015年5月20日(塩塚夢撮影)【拡大】

  • もう一人、影響を受けた作家として「言語以前のところで書いているすごい方」と古井由吉さんをあげた。「『藤沢くんは言葉の結晶化が早い』と言ってくださったことがあって。言語化するぎりぎりのところで耐えなきゃいけないんだ、と気づいた。今回は、それが少しできた気がします」=2015年5月20日(塩塚夢撮影)
  • 「界」(藤沢周著/文芸春秋、1200円+税、提供写真)
  • 「珠玉」(開高健著/文春文庫、473円、提供写真)

 50代半ばという今だからこそ書けた、とも言う。「『トスカ』を自覚するようになってから、『魂のたそがれ』を覚えることが多くなってきて。50代で傾斜に入りかかって、停滞したからこそ見える道。それは死だったり、心の奥底に堆積してきた前の世代の遺伝子の記憶だったりにつながる。ある意味、『更年期文学』かもしれませんね(笑)」

 原点は「言語以前」

 “遺伝子の記憶”は風土の持つ力とも響きあう。「全く見知らぬ土地を訪れて、エトランゼ(異邦人)のはずなのに感応するのはなぜか。自分の中の血に入り込んでいる『もののあはれ』に誘発されて、地霊に『自分の充足を考えろ』と突きつけられているんですね。それは、『俺が』という自意識を超えて、『自分の記憶ではない記憶を生きる』ということ。無意識への扉を開き、世界の無限性にリンクする。世界の無限性に、言語以前の存在になった私がほうり込まれるというのでしょうか。そういう瞬間を持っている作品かなと思う」

「すべての近代文学は自己をめぐる探偵小説なのではないか」

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