連邦議会議事堂で記者会見を開き、貿易促進権限(TPA)法案の重要性を訴える共和党のミッチ・マコネル上院院内総務(中央)ら超党派の議員たち=2015年11月19日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
今後の焦点は下院に
この投票にはTPP合意に不可欠とされるTPAを後押ししてきたオバマ氏も一役買った。オバマ氏は投票が始まった後、議場にいたキャントウェル氏に電話をかけ、輸出入銀存続に向け下院に圧力をかけることを約束。21日の投票後には、記者団に対して「超党派の議員団が大きな一歩を踏み出したことに感謝したい」と述べた。
上院での政治バトルは共和党による民主党の切り崩し工作が成功し、今後の焦点は下院での審議に移る。しかし2年ごとに選挙戦にさらされる下院では、民主党議員はTPAに慎重な立場を取る労働組合の意向を強く受けるため、切り崩しは容易ではないとの見方が多い。それどころか、オバマ氏に権限を一任することに抵抗を感じる共和党の強硬派から40~80人程度の「大量造反」が出るとも予想されている。
上院での戦いを制した共和党も勝利の美酒に浸っているヒマはない。TPA法案をめぐる政治ドラマはしばらく続きそうだ。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)