「傘をもたない蟻たちは」(加藤シゲアキ著/KADOKAWA、1300円+税、提供写真)【拡大】
今までの舞台封印
「これまでは『アイドル作家』であることを強みにして、あえて自分のよく知る芸能界を舞台にしてきた。でも、3作出して、小器用に描ける自分が見えてきて、イヤになってしまったんです。自分は兼業作家。中途半端では他の作家さんにも失礼になってしまう。イチから出直したい、書くからには一皮も二皮もむけたいという思いがありました」
脱サラをきっかけに始まるエリートサラリーマンの転落(「Undress」)、軽妙かつスリリングに展開する男と女の恋のかけひき(「インターセプト」)-。作家としての可能性を感じさせるバラエティー豊かな6編がそろった。「全く別の世界を書くことができないと書き続けられないという意識があったので。舞台や文体も、自分が今までやってきたことをあえて封じて、『丸腰で闘おう』と。新しいジャンルへとジャンプするような気持ちですね」