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【パリの中庭】不変と可変 丸若裕俊 (2/4ページ)

2015.6.5 15:00

山田錦の米の甘さが引き立つ、発泡性にごり酒。「獺祭_発泡にごり酒スパークリング50」(360ミリリットル、972円+税、提供写真)

山田錦の米の甘さが引き立つ、発泡性にごり酒。「獺祭_発泡にごり酒スパークリング50」(360ミリリットル、972円+税、提供写真)【拡大】

  • 徹底的に追求された製法から、他に類のない口当たりがうまれる=2010年11月4日(提供写真)
  • 「丸若屋」代表、丸若裕俊(まるわか・ひろとし)さん(本人提供)

 私にとっては何ともうれしく、また感慨深い。ここで重要になり差となるのが、未来に対する明確な意識だ。過去との対峙(たいじ)は、あくまで個の話である。個を成熟させ、精査し、独自性をもって未来につなげていくことにこそ神髄がある。作り手にとって同世代から支持を受けることは重要でありモチベーションとなるだろう。しかしそれは、今、未来であることが求められるのだ。ここに伝統の価値と困難さ、そして大いなる可能性が混然一体となって有る。

 最新という伝統

 こうした現代を牽引(けんいん)するあまりに有名な日本酒がある。「獺祭(だっさい)」だ。口にしたことのある方も多いに違いない。この10年ほどの間で、瞬く間に世界に名をとどろかせるまでとなった。手がけているのは山口県の旭酒造である。一体、どうしてここまでの存在になれたのか。私も同蔵元を数度訪れ、社長、副社長をはじめ、幾度となく時間を共有させていただくことで理解できたことがある。それはこんな会話に象徴されている。「私たちは革新的な製法によって日本酒業界に新風を起こしたといわれるが、あくまで最善を尽くした結果、今のスタイルと味にたどり着いただけだ」。獺祭の特徴は、すべての銘柄が「吟醸酒」であることだ。実は吟醸酒が量産できるようになったのは、米を磨く精米技術の進歩があったからこそ。この30~40年ほどのことだ。

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