19年のラグビー・ワールドカップ(W杯)、その翌年の東京五輪に向け、連携強化を図るべき下村氏と舛添氏の関係に亀裂が入ったきっかけは、5月18日の東京都庁での会談だった。
下村氏はメーン会場となる新国立競技場の開閉式屋根の大会時設置を見送る案を伝えたほか、競技場の建設費用の一部として500億円の負担を要請。それに対し、舛添氏は建築資材の高騰で総工費が膨らむことが予想されることなどに触れ、「協力は惜しまないが、税金を払うのは都民。もっと情報を開示してほしい」と話し、事実上の“門前払い”にした。
「どっちもどっち」
この会談後、両者の関係は一気に悪化する。まず対決姿勢を鮮明にしたのは舛添氏だった。
19日の定例記者会見で開閉式屋根の見送り案について「誰の責任なのか。誰も責任を取らない体制は問題がある」とバッサリ切り捨てた。負担を要請された500億円についても「数字に根拠がない。せいぜい50億円程度」と述べ、拠出限度額は新国立競技場と都施設とをつなぐ連絡橋整備費程度であるとの認識を示した。